海外体験記 vol. 3 バンクーバーオリンピック、その後…~3年間で変わったもの~
2010年10月、オリンピック開催を目前に控えたカナダ・バンクーバーの地を踏みしめた私はこれから始まる2週間のホームステイへの緊張とわくわくが半分ずつ交じり合っていました。
ホームステイ先に向かう途中、空港からの送迎を担当してくれたドライバーさんが、
「仕事中心ではないカナダ人が、予定より4ヶ月も早く作業を進めてカナダラインを開通させたのは本当に奇跡みたいなことだよ」
と笑いながら話してくれたのがとても印象深く、オリンピック開催への市民の期待や興奮を同時に感じられました。
この日は、なんと10月31日。生まれて初めてのハロウィンパーティに遭遇!
ホームステイ先到着と同時に、「衣装はどれにする?」「ドーナツの味見は?」「子どもたちの友だちやいとこも来ているから、順番に挨拶してね」と初対面の私をホストファミリーは温かく迎えてくれました。
そして、いよいよパーティーの開始直前、私はハロウィンの衣装を着るのがとても恥ずかしかったのですが、着るとも着ないとも言えませんでした。
するとホストマザーが「YESならYES、NOならはっきりNOと答えて」と語気を強めて言いました(ホストマザーにその気はなかったのですが、当時の私は語気を強めて言われたような気がしました)。
怒らせてしまったのかと不安になりましたが、私が結果的にNOと言ったあとも何も気にする様子なく接してくれ、文化の違いを肌で感じました。
Trick or Treatと言いながら子供たちと近所の家をまわってお菓子をもらったり、それぞれの家ごとに異なるハロウィンの飾りつけを夢中で写真に収めたり、初めてのハロウィン、それはとても素敵な夜でした。
次の日からは、ホストファミリーに作ってもらったお弁当を持って語学学校に通いました。
ワーキングホリデーなどで来ている日本人もいましたが、学校内は英語オンリー(母国語禁止)で
ホストファミリーの家にはWi-Fi環境がなかったため、少しホームシックになってしまった私は、
毎日学校が終わると、バンクーバー中央図書館に寄りローマ字しか打てないパソコンでmixiをしたり、家族にメールを書いたりしていました。
(もちろん時差の関係で、家族や友だちからの返信が見られるのはその翌日。長い1日を経て日本語の返信を確認出来たときの嬉しさは、何にも代え難かったなぁ。)
家では小学生の好奇心旺盛な女の子とピアノを弾いたりテレビアニメを見たり、
中学生のシャイな男の子と2人で留守番をしていたときに突然スターバックスで飲み物を買ってきてくれたことが嬉しかったり、
ホストマザーとヨガに行ったり、
歯科医のホストファーザーの仕事姿を見に行ったり。
どこもかしこもオリンピック一色に染められている街の中は、ただ歩いているだけでわくわくしたものです。
そうして滞在期間2週間はあっという間に過ぎていきました。
余談ですが、ホストファミリーに空港まで送ってもらう途中で、「Facebookのアカウント教えてよ」と言われましたが、当時日本ではFacebookは今ほど浸透しておらず、私はmixiのアカウントしか持っていなかったので、 「…Facebook?」状態でした。
それから3年後の10月、
私はモントリオールで人生で二度目のハロウィンパーティーを楽しんだ後、再びバンクーバーに行きました。
もちろん、今度はイモトのWiFiも一緒です。
3年前、ビルの塗装までもオリンピック一色だった街は、様変わりしていて目印だったビルが見当たりません。
そこで、イモトのWiFiの電源を入れスマホで検索すると、オリンピック期間中には派手で目立つようにデコレートされていたビルの塗装を剥がしふつうのビルに戻ったことが分かりました。
そんな街中の懐かしい場所や思い出をFacebookやメールで家族や友だちに共有したり、
今年からワーキングホリデーでカナダに来ている友だちと仕事終わりに連絡を取りご飯を食べたり、
日本にいる時のようにいつでもどこでもインターネットが出来るだけで、旅は何倍にも面白く、充実したものになるなと感じました。
この3年間で、立派に普及してくれたスマホと海外用Wi-FiルーターとFacebookに深く感謝する二度目のバンクーバーでした。